パチンコ店における還元率
パチンコは手軽な大衆娯楽とは言うものの、お金のかかる遊びです。
せっかくやるのだから勝ちたいと思うのは自然なことです。
勝ち負けを戦略的に検討するためには還元率について考える必要があります。
還元率について
競馬や宝くじなど、いわゆるギャンブルと呼ばれるものには還元率という概念があります。
運営する側はボランティアではないので、客が一時的に支払う金額のうちの一部を利益として徴収するのは当然のことです。
客が1000円の投資に対して1000円の見返りを期待できるなら、還元率は100％となります。このとき、試行を無限に繰り返すことができるなら増減の期待値はゼロなので、理論上客は損も得もしません。運営サイドも利益が出ないので、還元率100％のものは成立しません。
一般的に、競馬で80％程度、宝くじは45％程度の還元率と言われています。
数字だけを見れば宝くじを買うことがばかばかしくなりそうですが、1回の成功で得られる可能性のある金額の大きさが魅力的であることは確かです。
還元率というのはあくまで期待値であり、運の要素を排除することはできませんが、期待値がマイナスである以上、続ければ続けるほど損をすることは知っておくべきです。これらの遊びに参加するために必要な資金は、「当たるかもしれない」という一時的な夢の対価だと考えた方がよいでしょう。
パチンコの出玉率
パチンコ店では、玉を借りて遊び、残った玉を交換することができます。
客が現金を使うのは玉を借りるときだけ（ジュースやコーヒーを買ったりすることもありますが）なので、等価交換の場合、純粋に機械の性能に応じた期待値である出玉率がそのまま還元率になります。
出玉率とは発射したパチンコ玉に対する払い出されたパチンコ玉の割合です。
パチンコ機の出玉率は釘の傾きによって変化する始動口や入賞口への入賞率によって変わりますが、概ね97％前後です。
等価交換ではない店では換金率のギャップによって出玉率よりも還元率が下がるのは当然のことですが、そのような店では釘を調整することによって出玉率自体が等価交換の店よりも高く設定されていることが多いため、一概に交換率や釘の傾きだけで店の善し悪しを判断することはできません。
ただし、パチンコ玉をこぼしてしまったり、有利な状態でやめたり閉店時間を迎えてしまったりすると、客にとっては大きな損失になる（店にとっては利益ですが）ので注意が必要です。発射しても意味のない時に玉を打ち続けることも積み重ねれば大きな損失につながります。
パチスロの出玉率
パチスロは店側で設定できる6段階までの設定値があり、機械と設定毎に予め出玉率が決められています。
パチスロの出玉率は概ね96％（設定1）～112％(設定6)ですが、最も多く遭遇するのは設定1だと考えて間違いありません。
パチスロでは図柄を狙って揃える目押しが必要になることが多く、これができずに図柄を揃えられないと、その分損をすることになります。例えば払出が15枚の「スイカ」があったとして、これを揃えられない（取りこぼす）と、メダル1枚20円として300円を店に寄付したのと同じことになります。
勝率を高めるための立ち回り
機械についての知識を高め、多少の技術を身につけることで勝率を上げることは可能です。
パチンコで言えば、始動口に上限まで玉が入賞した後や大当たり中に大入賞口が閉じているときに発射を止める止め打ち、パチスロなら全ての小役を取りこぼさないように毎ゲーム小役を狙う小役狙いが代表的です。
パチスロの内部状態や設定を看破（予想）する方法もありますが、十分な知識と経験が必要です。
単純な方法としては、パチンコでは「海物語」を、パチスロでは「ジャグラー」を打つというものがあります。これらの人気機種は稼働がよく、1台当たりでは薄利でも店側としては利益につながりやすいため、甘く使われていることが多いからです。
注意点
パチンコやパチスロでどうしても勝ちたくなって、正常な判断力を失ってはいけません。
「攻略法」と称した無意味な情報や、「高設定を教える」等の嘘を高額で売りつけようとする悪質な業者がいることを覚えておいてください。
また、特殊な器具を持ち込んで機械を誤作動させることは犯罪です。
パチンコでは始動口や入賞口へ入賞しやすい台を見抜いて止め打ちを完璧にこなすこと。パチスロでは店の設定を予め予測し、その場で高設定の挙動を見抜き、目押しを完璧にこなすこと。そして閉店時間に注意し、余り玉や余りメダルを極力少なくすること。勝率を高めるためにできることはこれくらいしかありませんが、もしこれらを完璧に実行しつつ、ほとんど休みを取らずに毎日12時間程度パチンコやパチスロを打ち続けることができれば、一人分の生計を立てるくらいならば十分に可能だと思います。
まあ、そんな生活に満足できるのならば、ですが。